～　49周年プログラムから　～

今日はようこそおいで下さいました

今日の夕刻は吹雪でしょうか
せめて泡雪であってほしいと・・・
どうか少しでも穏やかな時間をと祈るのみです

想像を超えた一年でした
恐れもしました　とまどいました
予定舞台がすべて無くなりました
五十年目にして初めての経験に唖然とし同時に
身体を強制的に休ませるという不思議な現実
皮肉にもこよなく体を愛でる時間を得、新しい活力
が湧きました
不思議な静寂でした

レッスンは再開し、新作にも取り組みました
目的の無いレッスンは何か味気無く、例え無観客でも
映像には残しておこうと決意
真夏のマスクでの激しい動き、あの苦しさと頑張りは
生涯忘れる事はないでしょう
　誰一人後ずさりしない
わたしはそれに圧倒され　後押しされ
そして、今日を迎えました

毎年奇跡と思ってやって参りました
今年は正直それを遥かに超えた感があります
会場の皆様　ありがとうございます
どうか　この少しの時間、踊り手と一体となり
ただただ楽しんでいただければ本望です

　毅然と　凛と　たおやかに
　そして決してだじろがず

そんな彼女らが今日もここにいます
​変わらない心で

奥村信子